●ロトルアピーポー その1 ジム・ラブ(Jim Love)氏 by. 川流河童




▲スポーツアカデミー練習風景
ロトルアで暮らす人々へのインタビュー。
第1回目の今回は、元マオリオールブラックスコーチで、2003年ラグビーワールドカップのトンガ代表監督でもあるジム・ラブ氏のインタビューです。ジム・ラブ氏は、今ロトルアでスポーツアカデミーを主宰し、ニュージーランド人ばかりではなく、日本人を含めた世界中のラグビープレーヤーの育成に力を入れています。

(河童)こんにちは。

(ジム)こんにちは。

(河)早速ですが、ジムさんのことについてお伺いします。ジムさんはいくつの頃からラグビーを始められたのですか?

(ジム)そうですね、もう、物心ついたときにはラグビーボールを追いかけてましたね。いくつの時と聞かれても困るのですが、最初にラグビーをした記憶は、4歳くらいでしょうか。

(河)4歳ですか。気がつけば目の前にラグビーがあったということでしょうか。子供の頃に他のスポーツをやってみようとは考えなかったのですか。

(ジム)考えなかったですね。ニュージーランドでラグビーはいつの時代もナンバーワンのスポーツです。ラグビーほど、体と体が激しくぶつかり合う球技は他にはないのではないでしょうか。

(河)では、ラグビーの魅力はどういうところにありますか。

(ジム)先ほど言ったように、体を激しくぶつけ合うところが好きですね。でも、ただ力まかせにぶつかるだけでは、当たり前のことですが、ゲームには勝てません。そこには、技術や戦略が必要です。個人とチームの技術を徹底的に磨き、考え抜かれた戦略を持って相手に体ごとぶつかっていく。ラグビーをやっていると、やるべきことが次から次へと出てくる。ここまでやったから大丈夫だということはないんです。学ばなければいけないことがどこまで行ってもたくさんある。それがまた、ラグビーの魅力なんですね。それと、私はラグビーを通じていろんな国のいろんな人と出会うことができました。ラグビーをやっていなければ、これほど多くの人と友達になれなかったと思います。それも、ラグビーの魅力といえると思います。

(河)なるほど、ラグビーには、体力、技術、チームワークなどいろんなものが必要ですね。先ほど、ジムさんがおっしゃったように、ニュージーランドではラグビーはナンバーワンのスポーツですが、日本では残念なことに、その人気が他のスポーツの陰に隠れてしまっているのが現状です。そこで、ジムさんに、日本のラグビーについてどう思うかをお聞きしたいのです。

(ジム)2003年のワールドカップでも日本チームの活躍を見ましたし、また、日本人のラグビープレーヤーと接する機会も多いので非常に興味を持って見ています。一ついえることは、最近日本のラグビーは急速に変わってきているということです。レベルがものすごく上がってきた。おそらくもうすぐ強くなってくると思いますよ。

(河)それは、楽しみですね。では、日本のラグビーにさらに必要なものは何でしょうか。


(ジム)今言ったように、日本のラグビーもどんどんよくなってきています。できることならば、オールブラックスのようなチームと対戦したり、世界中のレベルの高いプレーヤーと一緒にプレーする機会を、できるだけ多く作っていくことが大切だと思います。

(河)やはり自分よりレベルの高いプレーヤーに接することがいい勉強になるんですね。では、日本のラグビープレーヤーやラグビーファンに一言お願いします。

(ジム)はい。わたしは、日本のラグビープレーヤーは世界中で最もよく訓練されたプレーヤーだと思っています。技術もすばらしいですし、なんといってもその俊敏な動きには目を見張るものがあります。ですから、日本人のプレーヤーを教えるのは、すごく楽しいんです。ラグビーがもっと日本でポピュラーになって、日本のラグビーがさらに強くなることを期待していますし、私もその力になれればと思っています。

(河)ありがとうございました。最後に、ジムさん。あなたにとってラグビーとは?

(ジム)生活の一部です。
ジム・ラブ氏が主宰するニュージーランドスポーツアカデミーでは、現在2005年度のインターナショナルプログラム参加生を募集しています。2週間から参加できる、宿泊と食事つきのプログラムです。ジム氏によれば、年齢、性別、経験は問わないとのこと。個人個人に応じたプログラムを組んでくれます。

ニュージーランドスポーツアカデミー
website : http://www.nzsportsacademy.co.nz/japanese/
  または、http://www.kickoffnz.co.nz/study/s_packages/s_rugby.html
mail : kickoffnz@nzsportsacademy.co.nz

著者紹介

川流河童・あひる
1997年夫婦でニュージーランドに移住。97年から6年3ヶ月間、ロトルアで日本食レストランを経営。2004年レストランビジネスを譲渡し、留学サポート会社「Kickoff New Zealand」を設立。
ニュージーランド滞在中のケアを重視したいため、ロトルア周辺(ベイオブプレンテイ地方)に地域を限って留学サポートをおこなっている。
Kickoff New Zealandのサイトでは、「遠く離れた家族へ」の手紙の投稿を募集中。
また個人のニュージーランド生活情報サイト「New Zealandでどんじゃらほい」もロトルアより発信中。


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