ニュージーランド不動産コラム プロパティコンサルタントの閻魔帳から〜発想転換のすすめ

3年振りの基準価格に異議あり

3年毎に改定されるGV(ガヴァメントヴァリュエーション)が改定されました。

ハウスオーナーの方のお手元に既に2005年度の査定通知がQV社(Quotable Value Ltd, PO Box 5019, Wellington) から届けられているかと思います。 この査定通知は在外NZのオーナーであっても必ず通達がありますので、未だ通知が来ていない方は管轄のカウンシルへ問合せてみて下さい。


GVって何?

ガヴァメントヴァリュエーションまたはキャピタルヴァリューと呼ばれていますが、端的に言って管轄カウンシルが不動産の所有者に課すレイツの徴収基準値です。 土地と建物それぞれ別々に基準値が査定され、二つを総合した価格がGVとされます。
そしてレイツは各カウンシルの重要な財源であり、この財源を使い下水道等のインフラ整備を行います。
不動産売買においての金額を市場価格と定義する場合、GVと市場価格には常に矛盾が生じていても何ら不自然な事ではありません。(詳細理由や事例は割愛させて頂きます。)

GV値についての質問を受ける度、物件売買においてのGVは方便として利用される程度の意味合いしかないとお答えしています。 とても曖昧な回答ですが、それが現状とお考え下さい。


Vはどうやって算定されるの?

私をはじめとして、不動産ブローカーはGV算定には参画していませんので、どのような論理で算定するのか、また内側事情は全く分かりませんが、次の要素を総合して算定されているようです。

  1. 周辺地域の物件売買実績値
  2. 家賃相場
  3. インフレ係数


驚きの上昇

GVは3年毎に改定されますが、レイツは毎年改定され、納入金額は下がりません。 
あくまでも一人のハウスオーナーとしての私見ですが、今回の査定は衝撃的であり、とても受け入れ難いというのが率直な感想を抱いています。

不動産価格の推移は購入者には勿論、オーナーにとってもとても関心のあるテーマだと思います。 不動産価格の上昇は即ち、資産総額の増加を意味しますから、GV値が大幅に上昇すれば、不動産を担保とした借り入れも増やせ、レバレッジを利用しての不動産投資も更に拡大でき、資金形成にもよい影響となるでしょう。

しかし一方で、政府は不動産の上昇スピードについて警戒感を抱いてはいるものの、現実的観点からは、人口増に伴うインフラ整備は勿論、行政コストの財源確保にはレイツからの収入に期待を抱く為、大幅な改定を行った形で、警告している事と事実に矛盾を生じさせた証ではないかと考えます。

異議を申し立てられるのか

今回改定された、GVに関して異議のある場合、12月1日までに異議申し立てを行うことにより、異議は受理されます。異議に関しては必ずしも受け入れられることはありませんが、期間中に異議申し立てを行わなかった場合、QV社からの新査定値が2006年7月よりのレイツに反映されます。

異議申し立てには理論的な裏づけや根拠が不可欠

単純に「高い!」「低く過ぎる!」程度の異議では受け入れられる可能性はありません。

NZ不動産業界の最大シェアを誇るBarfoot & Thompsonはいつでも無料査定を実施しております。 査定値は様々な要望を元に算定できます。

査定を依頼する、即ち売却と考えず、定期的にマイホームの市場価値を測られる事はNZにおいて大切な事だと思います。3年毎のGV改定はよい機会ですので、無料査定は是非私までご依頼下さい。
2005年11月22日 記

著者紹介
そといし やよい
(Koru World Services 代表 NZプロパティコンサルタント 兼 仲介ブローカー REINZ正会員)

現在、最もアクティブなNZプロパティコンサルタント
ニュージーランド不動産を日本語で分かりやすく解説したウェブサイト「ニュージーランド不動産A to Z」の筆者。
オークランドの大手デベロッパーであるトニーテイグループの日本マーケット代表を務める傍ら、一般の不動産売買を行う仲介ブローカーとして、業界最大シェアを誇るBarfoot & Thompson Ltd. で初の日本人セールス・コンサルタントでもある。
通常のブローカーは限られた地域に限定して活動するが、刻々と変わるオークランドの広域市場を常に把握するコンサルタントであり続ける為に、あえてエリアを限定しないという厳しい課題を自身に課している。
丁寧で納得のいく説明とアフターフォローは、買い手からも売り手からも好評であり、彼女を頼るキーウィのクライアントも急増中。信頼度と期待感は更に厚くなっている。

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