●借金しよう パート1
今やニュージーランドの金利は先進国中で一番高くなってしまった。
リザーブバンクが金利を改定する→銀行窓口レートも即対応→お決まりパターンである。住宅ローン金利も改定された。
ニュージーランドの住宅ローン金利はコロコロ変動する。
(詳細は「NZ不動産A to Z」「トレンドを探る」を参照)
それらの動きを事前に察知する人がモーゲージブローカー。
7月29日の早朝ニュースでリザーブバンクが金利改定に動き出すという報道から数時間後、金利は上昇した。
モーゲージブローカーも不動産ブローカー同様、金太郎飴の如く同一ではないのは当然。
このニュース報道の前より、私はあるモーゲージブローカーから銀行の動きが鈍いという情報を得ていた。そういう状況下のディールには、実勢に対応でき得る様、私はクロージングに配慮を組入れる。つまり、テクニカルセトルメントが行い易い状況を敷いておくのだ。

それはさておき・・・
はて、今年の前半にこれだけ金利が上昇するなんて誰が予想できたであろう。
因みに一年の固定金利は現在7.25〜7.5%である。
金利が上ってしまっては「マイホームの夢はまた遠のいた」という嘆きが聞こえてきそうだ。
それなのに、今回のテーマを予定通り(?)「借金しよう」とした私は不謹慎極まりないであろうか。


借金は生活防衛上不可欠であり、資産形成には重要

ニュージーランドで生活する上で借金を上手にするのは大変重要なのだ。事実、資産家ほど借入れを積極的に行っている。全額キャッシュで購入する人と、借入れをして購入する比率は前者を選ぶ日本人が多いのに対し、ニュージーランドでは後者の比率が圧倒的である。
ニコニコ現金払いが潔しとする日本とはかなり異なるところである。


あなたは家賃に毎週いくら消費していますか?

テナントが支払う週家賃はランドロードの住宅ローンの返済に利用されるのだ。キャピタルゲイン課税がないニュージーランドではインカムゲインとキャピタルゲイン狙いの2両方を狙うことも可能であり、ランドロードの中には元本返済などは考えず、家賃収入を全て経費で賄っている事も少なくない。
次の表は年間52週とし、テナントが年間に支払う家賃の合計金額と、その金額が現在の住宅ローンの返済に算入されるとした場合、借入れ額(ローンの元本)はどの程度までカバーされるか逆計算したものである。

全額を住宅ローン金利返済に算入させた場合に支払い可能となる金額
週家賃 年間家賃 6.10% 7.25% 7.50%
$100 $5,200 $85,246 $71,724.14 $69,333.33
$200 $10,400 $170,492 $143,448.28 $138,666.67
$250 $13,000 $213,115 $179,310.34 $173,333.33
$300 $15,600 $255,738 $215,172.41 $208,000.00
$350 $18,200 $298,361 $251,034.48 $242,666.67
$400 $20,800 $340,984 $286,896.55 $277,333.33
$450 $23,400 $383,607 $322,758.62 $312,000.00
$500 $26,000 $426,230 $358,620.69 $346,666.67

毎週200ドルの家賃を支払っている場合、金利だけの返済を選択すると現在の高金利であっても$143,448.28の借入れに対する金利分の返済をカバーできるのである。つまり、少しの頭金が用意できればマイホームは遠くないという事に注目して頂きたいのだ。究極の投資を求める人は100%の借入れで運用するが、私はそれを推奨しているのでない。

多少でも明るい希望を抱いて頂ければ幸いである。
次回は、現預金資産はほどほどにというテーマで引続き、借金しよう パート2をお送りする(予定)です。

次のテーマまで待てない?

筆者が提唱する発想転換が完了し、実行に移るのみとなりましたら直接コンタクト(電話)下さい。メールでのお問合せに対してのご返答は確約致しかねます故、ご了承下さいませ。(電話受付はNZ時間22時までOK 09-444-9060)

追伸:
10月10日 東京にて今年2回目のニュージーランド不動産セミナーを開催します。今回は初心者と実践セミナーに分け、ウェブ等では公表できない、「買ってはいけない具体的物件」についても解説します。
詳細及びお申込みは年金海外生活ラボへお問合せ下さい。
URL: http://www.fpwc.co.jp
09.08.2004 掲載

著者紹介
そといし やよい
(Koru World Services 代表 NZプロパティコンサルタント 兼 仲介ブローカー REINZ正会員)

現在、最もアクティブなNZプロパティコンサルタント
ニュージーランド不動産を日本語で分かりやすく解説したウェブサイト「ニュージーランド不動産A to Z」の筆者。
オークランドの大手デベロッパーであるトニーテイグループの日本マーケット代表を務める傍ら、一般の不動産売買を行う仲介ブローカーとして、業界最大シェアを誇るBarfoot & Thompson Ltd. で初の日本人セールス・コンサルタントでもある。
通常のブローカーは限られた地域に限定して活動するが、刻々と変わるオークランドの広域市場を常に把握するコンサルタントであり続ける為に、あえてエリアを限定しないという厳しい課題を自身に課している。
丁寧で納得のいく説明とアフターフォローは、買い手からも売り手からも好評であり、彼女を頼るキーウィのクライアントも急増中。信頼度と期待感は更に厚くなっている。

このコラムへのご意見・ご感想をおまちしております。こちらまで>>